ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
Print ISSN : 1345-9511
キンシャサにおけるストリートチルドレンの現状とNGOの取り組み
深尾 幸市
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 11 巻 p. 69-84

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抄録

筆者は1980年代ナイジェリアに3年間駐在し、それを契機にアフリカ生活に関心を持つようになった。また、この15年間大阪市内にある草の根NGOの一員としてアフリカの子ども支援に携わってきた。 本論はコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都キンシャサのストリートチルドレンの生まれる要因を明らかにし、また、子どもへの支援の活動を行っているNGOの役割と課題を検討することを研究の目的としている。2007年6月に現地インタビュー調査を実施した。 現地で最大のNGOプラットフォームREEJERは傘下のNGO 180と連携をとりストリートチルドレンに関するアドボカシー、保護と観察、宿泊の提供、医療ケアー、職業訓練、家族捜し等に取り組んでいる。最も大きな課題は資金不足であった。 インタビューした子どもたちは、男子31人、女子24人で年齢は8歳から17歳までである。家を離れた(捨てられた)要因は「悪魔つき」(悪魔がついて家族を不幸にする)(27.3%)であり、キンシャサにおけるストリートチルドレン発生の大きな特徴である。 子どもたちの将来の夢は男子がサッカー選手やミュージシャン、一方女子は修道女、医師、が上位であった。 今回の調査を通して感じたストリートチルドレンに関して最優先すべき課題は、子どもの救済、すなわち孤児を保護し、教育および職業訓練を施して、社会参加を可能にすることの重要性である。

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2011 国際ボランティア学会
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