ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
Print ISSN : 1345-9511
11 巻
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • グローバルとローカル・マクロとミクロのダイナミックスを
    山口 洋典
    2011 年 11 巻 p. 3-6
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 地球環境を守るための私たちの役割とは
    村井 吉敬
    2011 年 11 巻 p. 7-19
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は国際ボランティア学会第11回大会(2010年3月6日開催)での基調講演の内容に基づいたものである。ここでは環境をめぐっての国際市民連帯運動の体験と可能性について具体的に論じた。市民同士の国際的な連帯・協力運動が成り立つ条件は、①顔見知りの関係がある、②国際(国家の)政治経済上の関係が見える、③相互に情報や人が行き交う関係がある、などであろうとし、東南アジアと日本のあいだでの環境面での市民連帯運動を歴史的に概観し、具体的に東インドネシアの資源保全慣行であるサシについて考察した。
  • 小島 祥美
    2011 年 11 巻 p. 21-33
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、日本社会の水面下で深刻化しつつある学齢超過者の学習権というグローバルな課題について、就学支援という形で支えるローカルの実践事例から、ボランティアの意義を考察したものである。  未だ日本に居住する外国人の初等教育が保障される仕組みは構築されていない。そのため、学齢(日本の義務教育年限)期であるにもかからず、学校に通ってない不就学の子どもが実在する。こうした背景により、学齢期に不就学であった外国人住民は学齢を超過した時には義務教育未修了者となるものの、社会から「見えない」存在であるがために、日本社会では学齢を超過した外国人の学習権という課題が置き去りにされてきた。そのなかで、外国人が多く暮らす地域では、ボランティアが中心となり、学齢を超過した義務教育未修了の外国人住民の就学支援を行っている。  画一的な思考ではなくグローバルとローカルの複眼的思考を持ったボランティアの尽力は、学齢超過者の「日本で生活していく中で高校進学して学力を向上したい」「美容師になりたい」などの夢の具現化に大きく寄与している。
  • 「ボランティア学研究」の10年
    内海 成治
    2011 年 11 巻 p. 37-49
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    国際ボランティア学会の雑誌「ボランティア学研究」発刊から10年が経過し10号になった。この機会にこれまでの雑誌を読み返して、10年の歩みを振り返り、何が問題になってきたのか、今後何を考えるべきかを検討した。特に第2号からは特集が組まれ、2、3本の論文により、その時々のボランティアをめぐる課題にも応えてきた。そこで今回は特集を中心に、論文のレビューを行った。本来、ボランティア研究は多様な学問領域からボランティアという現象あるいは活動に迫るものであり、データの収集や分析の手法はさまざまである。また人文科学と社会科学では大きく異なることが予想される。 しかし、10巻の研究誌をレビューすると、いくつかの共通の柱があるように思われた。ひとつは公共性をめぐる論議である。第1号には公共をめぐる二つの優れた論文が掲載されていることからも分かるように、その後の巻にも公共性をめぐる論考が一つの柱になっている。 今ひとつは市民社会論である。ボランティアの依拠する社会をめぐる議論である。ボランティアが社会を変革する力があることから、市民社会を動かしていく力としてのボランティアへの期待であると思う。 今ひとつは予想された通り多様性も特徴であると思う。しかし、いずれの論文もさまざまな課題に対して、これまで自明のこととされてきたことが実はそうではなく、研究によって新しい側面が暴露されると言う、大変スリリングな議論が多いことも「ボランティア学研究」誌の特徴であると思われた。 こうした意味でボランティア学の必要性は高く、また、この雑誌「ボランティア学研究」の果たすべき役割の重要性が再認識された。
  • バングラデシュを事例として
    日下部 尚徳
    2011 年 11 巻 p. 53-68
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    バングラデシュ政府は、2010年5月までに、国内14カ所のコミュニティラジオ局に放送認可を与えた。これまで、コミュニティラジオは開発分野における応用可能性が認識されていながらも、自らの監視下にないラジオ放送の政治利用を恐れる政府は、導入に消極的であった。本論ではまず、バングラデシュ政府がコミュニティラジオ局に放送認可を与えるに至った要因を文献レビューから明らかにした。具体的には、①現政権による投資・産業政策の推進をも視野にいれた積極的な情報戦略の中に、コミュニティラジオが位置づけられたこと、②NGOがロビー活動によって、開発政策のツールとしてコミュニティラジオが有用であることを政府に認識させたこと、が挙げられる。 加えて本論では、バングラデシュ国ノアカリ県ハティア島でおこなった、住民の情報ソースへのアクセスに関する量的調査をもとに、ラジオが情報伝達手段として有効であることを示した。その上で、同様の調査で明らかになった、コミュニティラジオに対する住民のニーズを分析し、コミュニティラジオの地域開発への応用可能性について論じた。
  • 深尾 幸市
    2011 年 11 巻 p. 69-84
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    筆者は1980年代ナイジェリアに3年間駐在し、それを契機にアフリカ生活に関心を持つようになった。また、この15年間大阪市内にある草の根NGOの一員としてアフリカの子ども支援に携わってきた。 本論はコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都キンシャサのストリートチルドレンの生まれる要因を明らかにし、また、子どもへの支援の活動を行っているNGOの役割と課題を検討することを研究の目的としている。2007年6月に現地インタビュー調査を実施した。 現地で最大のNGOプラットフォームREEJERは傘下のNGO 180と連携をとりストリートチルドレンに関するアドボカシー、保護と観察、宿泊の提供、医療ケアー、職業訓練、家族捜し等に取り組んでいる。最も大きな課題は資金不足であった。 インタビューした子どもたちは、男子31人、女子24人で年齢は8歳から17歳までである。家を離れた(捨てられた)要因は「悪魔つき」(悪魔がついて家族を不幸にする)(27.3%)であり、キンシャサにおけるストリートチルドレン発生の大きな特徴である。 子どもたちの将来の夢は男子がサッカー選手やミュージシャン、一方女子は修道女、医師、が上位であった。 今回の調査を通して感じたストリートチルドレンに関して最優先すべき課題は、子どもの救済、すなわち孤児を保護し、教育および職業訓練を施して、社会参加を可能にすることの重要性である。
  • 疑似体験から協働体験へ
    松原 崇, 佐藤 貴宣
    2011 年 11 巻 p. 85-98
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、障害疑似体験の可能性について、新たな観点を提示することである。一般に、従来の障害疑似体験は車いすやアイマスクのような補装具や拘束具を用いて、健常者の身体上に障害者の身体状態を再現することで可能になると考えられてきた。しかし、こうした障害疑似体験に対しては障害学や障害当事者団体より批判的な見解が提出されてきた。本研究では、体験は人々の間のコミュニケーションを通じて協働的に構成されると考える社会構成主義の観点に依拠して考案したワークショップ『バリバリツアー』を事例として、新たな障害疑似体験の方向を提示した。すなわち、障害の疑似体験は、障害当事者に寄り添い、障害当事者と協働である事柄を障害(ディスアビリティ)として意味付ける過程に参加することによって可能になるとする障害協働体験を提案した。
  • 「周辺」と「中心」の視点から
    仲田 和正
    2011 年 11 巻 p. 101-112
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、大規模自然災害の人道支援に関する先行研究の潮流や、研究分野に対する実証的な課題をレビューし、実践者に対する聞き取りと国際NGOでのフィールド調査をベースに、人道支援のジレンマについて検討を加えた。実践者は、国際NGOが内包する関係に起因するドナーと被災地の二元的な要請や、被災者のニーズに呼応する人道支援と対峙していた。実践者の直面したジレンマの背景となる要因を明示し、ジレンマを理解するための視点として、被災者の「周辺」とドナーの「中心」が人道支援の領域において重要である。この視点に基づいたアプローチは、人道支援の活動と資金、組織論、官民連携の問題など、実証的・理論的データを蓄積するために必要であり、欠くことができない共通する要素であると思われる。 本稿では、実践者の証言や国際NGOでの調査によって得られた知見をもとに、ジレンマの根拠を明示するための分析を行い、「周辺」と「中心」の視点から検討を試みた。
  • CIEE 国際ボランティアプロジェクト 国内受け入れプログラムを担当して
    黒瀬 聖子
    2011 年 11 巻 p. 115-125
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    国際教育交換協議会(Council on International Educational Exchange)日本代表部(以下CIEEと略す)は、1995年より「国際ボランティアプロジェクト」を行っている。派遣と受け入れを行っているが、派遣数が受け入れ数を大幅に上回っている現状がある。著者はCIEEからの依頼を受け、2008年より、受け入れプログラムを中心に、このプログラム関わるようになった。日本での受け入れにあたり新規開拓、実施までの準備、実施中のサポート、終了後から継続へという一連の活動に携わり、ヨーロッパで一般に行われている「ワークキャンプ」を、国内で行うことの難しさを経験した。しかしその中から、「日本型ワークキャンプ」というものが見えてきたように思う。 本レポートでは、第1に、「国際ボランティアプロジェクト」について、「国際ワークキャンプ」の歴史に触れながら述べる。第2に、CIEEの当プログラムへの取り組みについて述べる。第3に、著者の考える「日本型ワークキャンプ」とはどのようなものかを「2010年度の実施報告」等に触れながら述べる。最後に、「CIEEの日本型ワークキャンプ」を充実させるための課題を探る。
  • 山口 洋典
    2011 年 11 巻 p. 129-131
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
feedback
Top