本研究は、ボリビア多民族国ポトシ県ポトシ市立A病院の集中治療室における看護の質の向上を目指した取り組みを検証することを目的とした。看護の質を改善するために著者が働きかけた場面とその変化を抽出した。物品の管理状況の調査を実施し、ひとりの患者に対し使い捨て手袋0.5箱/日が必要であることや、9テーマ計17回の勉強会の開催し、吸引技術が改善され処置時の出血回数が減少するなどの変化が見られた。しかし、病院全体の看護の質向上のための教育委員会設置については、提案まではできたが、実現には至らなかった。著者が実施した看護の質向上のための活動は、現地スタッフの多くの協力を得て一部に成果として寄与できた可能性はある。しかし、本当の意味で患者が満足できる質の高い医療を提供するには、国の保健政策や行政管理を踏まえた見直し改善が求められる。