ボランティア学研究
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最新号
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  • 小川 寿美子
    2022 年 22 巻 p. 3-4
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 草の根的山村支援活動 GONGOVAが宿すレジリエンス性
    川嶋 辰彦
    2022 年 22 巻 p. 5-15
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は大きく2つの部分から構成されている。第1部ではレジリエンスの概念を明らかにするためにいくつかの側面から検討する。まず、レジリエンスのイメージをレジリエンスが使用される文章を分析した。次にいくつかの分野の識者へのインタビューによって、それぞれの分野におけるレジリエンス概念を調査し、それに対する検討を行った。例えば、都市計画論の専門家は、これまでの都市がコンクリートや鉄を中心としたグレイ・インフラであったが、都市のレジリエンスを高めるためには木を使い、自然と共生するグリーン・インフラが重要になるという。  第2部では、こうした検討を経て、GONGOVAの理念・活動・気付きについて検討した。GONGOVAは1997 年に始まった北タイの山岳少数民族の村における日本とタイの青年による国際ヴォランティア活動である。その目的は、現地研修プログラムに参加した青年にたいして、非日常的な生活・労働環境のもとで、広い視野と深い洞察力を獲得し得る機会を与えることである。  GONGOVAではこうした目的を達成するために試行錯誤を重ねながら活動内容や行動規範を検討してきた。こうした活動の中で、この民族の農耕の基本である焼畑農耕に対する見方が大きく変わった。焼畑は森の資源を収奪的に利用するものと思われたが、実は森を守り、環境を維持するための農耕なのである。ここでは焼畑の地域を循環させて、数年の間隔をあけ、焼畑を行うというやり方で森を持続的に利用し、森の生態系を守っているのである。  GONGOVAに参加した青年は、2-4週間の活動の中で、人間性を高め、異文化への理解を育むことがみられるのである。こうしたことから国際ヴォランティアは村の生活向上と生業への深い理解をもたらし、参加青年のレジリエンスを高めるのである。
  • 内海 成治
    2022 年 22 巻 p. 17-28
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本論では初めにレジリエンスの概念を考察し、それが個人のレジリエンスと社会のレジリエンスの2つの側面があることから、それぞれの内容を検討した。次にこうした多様な内容を持つ概念へどうアプローチすべきかを教育学の分野から論議した。また、ボランティアがかかわることの多い緊急人道支援におけるレジリエンスをめぐる動向をロヒンギャ難民支援とシリア国内被災民支援を例に紹介する。その上で緊急人道支援の分野で「マルチステークホルダー・アプローチ」と「現地化」の二つの大きな流れがあり、それは「レジリエンスパラダイム」シフトとして捉えられていることを示した。最後にレジリエンスの強いと感じた人の例として高橋悠治氏と川嶋辰彦氏の活動と人となりを紹介する。こうした論議によりレジリエンスが個人と社会を包摂する概念であり、個人と社会・自然との関係性の中で生まれるものであり、それはボランティアの持っている新たな関係性の構築という概念と極めて親和性の高いものであることを考察した。
  • 堀之内 裕一
    2022 年 22 巻 p. 29-36
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、GONGOVA(草の根国際ボランティア研修プログラム)参加前後でどのような意識変容があったかを明らかにすることが目的である。GONGOVA事務局からアンケートを体験してもらい、14名からの回答を得た。平均年齢は23.8歳±6.2であった。対象者には同プログラム参加前と参加後の意識に関してアンケートに回答してもらい、そのデータをKH-Coderを用いて形態素解析をした。その結果、まず「ボランティアとは何か」という問いに対して体験前は「無償で奉仕をし自己の視野を広げる」という回答が多かったのに対して、体験後は「他者との相互関係で当たり前の行動」という回答に置き換わる傾向が見られた。次に「GONGOVAの魅力は何か」という問いに対して、体験前は、日本では体験できない生活や豊かさの再考を求めるといった概念的な回答が多数を占めたが、体験後は言葉(語学)や時間の大切さをあげ、今までの生活を省みる具体的な回答や、その後の進路が明らかになったという回答傾向もみられた。  結論として、GONGOVAを通じて参加者は、ボランティアに対する視点が「他者」への行為から「自己-他者」の関係へと意識変容する傾向がみられ、またプログラム体験後には日常の生活や行動様式、更には人生そのものの指標を具体的に見直し、アクションを起こす原動力が享受されたといえよう。
  • 中村 安秀
    2022 年 22 巻 p. 37-39
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 富田 育磨
    2022 年 22 巻 p. 41
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 野村 悠司
    2022 年 22 巻 p. 43-44
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • Piyaphun NUNTA
    2022 年 22 巻 p. 45
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山田 恒夫
    2022 年 22 巻 p. 47-48
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 三宅 隆史
    2022 年 22 巻 p. 51-61
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿の研究課題は、①国内での国際協力ボランティア活動の参加者にはどのような自己変容が生起しているのか、②国際協力ボランティア活動への参加を通じた自己変更が生起するメカニズムは何か、の2点を明らかにすることであった。分析概念として、社会的実践への参加を通じて偶発的・副次的に生起するとされる「インシデンタル学習」 を用いた。調査方法は、ある国際協力NGOが市民に参加をよびかけている2種の活動に継続的に参加しているボランティアへのインタビューとこれの活動の参与観察と担当スタッフへのインタビューであった。調査の結果、課題1については、国際協力ボランティア活動の参加者には、「視野の多様化と広がり」、「地球規模課題への関心」、「国際協力に対する自己効力感」という3つの自己変容が生起していることが明らかになった。そして関心や行動の持続性の源泉は自己効力感であることを指摘した。  課題2である国際協力ボランティア活動への参加を通じた自己変容のメカニズムは、①効果的で共感性の高い国際協力事業の実施、②国際協力ボランティア活動の立案、組織化、調整、③参加者の「居場所」としてのボランティア活動、④ボランティア活動の途上国における成果のフィードバック、という4つの要素で構成されていることが明らかになった。また国際ボランティア活動への参加が生起する自己変容は、組織変容に帰結する可能性を有していることを示した。
  • 通訳ボランティア活動における利他性と利己性に着目した質的分析
    澁谷 由紀
    2022 年 22 巻 p. 63-77
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は、通訳ボランティア活動に参加経験のある外国語専攻の大学生9名を対象に、ボランティア活動における利他的動機と利己的動機に焦点を当て、ボランティア観が形成されるプロセスを明らかにすることを目的とした。半構造化面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析を行った。分析の結果、活動開始時の参加動機、継続意欲、自己成長、活動経験、ボランティア観と取り組み姿勢にかかわる5つのカテゴリーと25の概念が生成された。各カテゴリーと概念間の関係を検討した結果、利己的な動機と親和性の高い通訳ボランティア活動においても「緩やかな利他性を備えたボランティア観」が形成されること、活動を通じた自己成長や自己実現の実感と利他的な意識は並存すること、ボランティア観とマイペースのコミットメントという取り組み姿勢が活動継続の意欲に寄与していることなどが示された。大学生の通訳ボランティア活動を促進するために、社会貢献より学びの機会という意義に重点を置くことが重要である。さらに、通訳ボランティア活動は、グローバル人材育成の機会としても活用の可能性があることが示唆された。
  • エチオピアで活動するスポーツ関係者の語りから
    加朱 将也
    2022 年 22 巻 p. 81-93
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     開発途上国における様々な課題の解決手段としてスポーツが注目されている。しかし、欧米から生まれた近代スポーツを開発援助の手段として援助者が主体となって用いることで、現地にある独自の文化や価値が失われたり、先進国の価値観や教育手法を現地の人々に一方的に伝えてしまったりするのではないかと手段としてのスポーツの機能を疑問視する声がある。そのため、スポーツを通じた開発援助の現場では、現場の視点を取り入れるための参加型開発の手法が注目されている。しかし、参加型手法を用いて現場の視点を明らかにするだけでなく、その手法を用いる現場の実務者の理解が重要になる。そこで、本研究では、参加型開発の手法を用いる現場の実務者に焦点を当てる。開発援助の現場で活動する実務者の生活やスポーツ経験、スポーツに対する考え方の変化を明らかにし、スポーツを通じた開発援助のあり方について検討する。調査の結果、現地の人々は、近代スポーツを自らの経験を通じて昇華させ、自分たちのスポーツの価値を見出している。そのため、新自由主義的な開発援助のあり方を指摘するよりも、近代スポーツが現地に適合する形に変化していくことを前提に開発援助のあり方について検討する必要がある。参加型開発の手法を用いることで、援助者が様々なアクターを巻き込み、現地の環境に適合したスポーツ活動を実践することが重要であるという結論に至った。
  • ボランティア体験の言語化を促進する実践的研究へのアプローチとして
    山口 洋典, 北出 慶子, 遠山 千佳, 村山 かなえ, 安田 裕子
    2022 年 22 巻 p. 97-112
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は学生らのボランティア活動の経験の言語化を促進し、将来に向けたライフデザインに資する物語を当事者が携えていくための方法論を探索したものである。同時に、コロナ禍に際して学内でのラーニング・ファシリテーションの活動が停滞する中、正課併行型のサービス・ラーニングにおける教員による効果的なアドバイジングの方法論として検討した。体験の言語化においては個人的な気持ちのひっかかりが焦点化されるのに対して、本研究では経験の言語化として学生らが所属するコミュニティでの個別具体的な活動、その活動の結果に対する意味創出、活動を通じて形成された信念や価値の相互関係に着目した。具体的には、複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach:TEA)に基づく質的研究として複線径路等至性モデリング(Trajectory Equifinality Modeling:TEM)を援用し、さらに通常は情報提供者と分析者の2者関係で諸様相が吟味される方法論を公開での対話の機会において積極的に織り込むこととした。これにより、多元的な問いへの反応を重ねることでボランティア活動等に関する緻密な自己物語化がもたらされ、一定の信念・価値が獲得された場合には個別具体的な経験が語りの基層に根ざすことが明らかとなった。
  • ボリビアの地方病院での取り組み
    山本 貴子
    2022 年 22 巻 p. 115-127
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は、ボリビア多民族国ポトシ県ポトシ市立A病院の集中治療室における看護の質の向上を目指した取り組みを検証することを目的とした。看護の質を改善するために著者が働きかけた場面とその変化を抽出した。物品の管理状況の調査を実施し、ひとりの患者に対し使い捨て手袋0.5箱/日が必要であることや、9テーマ計17回の勉強会の開催し、吸引技術が改善され処置時の出血回数が減少するなどの変化が見られた。しかし、病院全体の看護の質向上のための教育委員会設置については、提案まではできたが、実現には至らなかった。著者が実施した看護の質向上のための活動は、現地スタッフの多くの協力を得て一部に成果として寄与できた可能性はある。しかし、本当の意味で患者が満足できる質の高い医療を提供するには、国の保健政策や行政管理を踏まえた見直し改善が求められる。
  • 小川 寿美子
    2022 年 22 巻 p. 131-134
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 第22回沖縄大会をオンライン開催して
    佐々木 康介
    2022 年 22 巻 p. 135-138
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 中村 安秀
    2022 年 22 巻 p. 141-143
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 阿部 健一
    2022 年 22 巻 p. 145-147
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 共話シリーズ「東日本大震災 支援する人・される人」報告
    飛田 ほのか
    2022 年 22 巻 p. 149-153
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
     東日本大震災から10年を迎える2021年現在、日本各地で大規模な災害に関する懸念は一層高まっている。被災地においても、震災を直接に経験していない人々も増えている。被災地の外では、東日本大震災のことをほとんど知らない世代も少なくない。こうした事柄を踏まえ、国際ボランティア学会では、東日本大震が起きたときにまだ小学生だった学生も気軽に参加でき、共に話せるような連続セミナーを企画した。  本稿においては、2021年3月~2021年7月まで実施されたオンラインセミナー「共話シリーズ 支援する人・される人」の概要及び参加者によるアンケート結果を記す。
  • 先家 茉子
    2022 年 22 巻 p. 157-158
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 服部 翼
    2022 年 22 巻 p. 159-160
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 杉山 日紀, 前田 涼香, 百瀬 恵梨奈, 若林 里歩, 林 薫
    2022 年 22 巻 p. 161-162
    発行日: 2022/02/28
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
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