ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
Print ISSN : 1345-9511
<特集:ボランティアとジェンダー> アフガニスタン保健プロジェクトにおける「ジェンダー」の活動内容
REACHプログラムの事例から
佐藤 美穂
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 6 巻 p. 7-26

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抄録

 本稿では、開発とジェンダーの概念である開発における女性(WID)からジェンダーと開発(GAD)への変遷と1975年の国際女性年から第4回1995年の世界女性会議に至るまでの開発におけるジェンダーのアプローチを報告すると共に、開発プロジェクト内でのジェンダーの位置づけを横断的領域、そしてジェンダーの主流化、というキーワードによって説明する。さらに、ジェンダーの具体的なプロジェクトへの統合を、米国国際開発庁の資金援助の下に実施されているアフガニスタンの保健プロジェクト、日本国際協力機構によるアフガニスタンにおける女性の経済エンパワメントプロジェクトを例に挙げて報告するものである。  ジェンダーという言葉は例えば「女性」と同意に使われたり、あるいは男性の権利・権威を脅かす概念として受け取られるなど、誤解を受けることがある。各地での因習や誤解を超えて男女ともに有益な開発プロジェクトを推進するうえで、開発におけるジェンダーの位置づけには複雑なコミュニティ独自の社会、文化、その中での女性と男性の役割について洞察しながら、女性と男性が共に平等なパートナーとしてプロジェクトに参画する、「男女共同参画」の視点が重要である。

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2006 国際ボランティア学会
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