ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
Print ISSN : 1345-9511
緊急復興教育支援と国際的ネットワークINEEに関する考察
津吹 直子
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 7 巻 p. 93-118

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抄録

 紛争は人道上の悲劇を引き起こし、人々から教育を奪い去る。国際社会では1990年代の議論や経験を通して、被災した人々の教育の権利を保障する動きが高まった。緊急復興過程での教育支援では、国連機関、人道・開発援助機関、NGOなど、様々なアクターが混在し活動している。こうした多様なアクターの協働を促進するために構築された国際的ネットワーク「INEE」の活動や取組を分析した。INEEは情報通信技術を活用し、世界に散らばる多様なアクターを結びつけ、コミュニケーションや連携を促進している。支援内容の質的議論、知見の集積と体系的整備、その普及と実践そしてフィードバックへと、発足から5年を経て、活動にひとつのサイクルが出来つつある。INEEを通じた多様なアクターの協働は、ネットワークを緩やかではあるが、強固な連携のツールとして、支援の現場そして国際社会に作用している。今後、協働の空間をさらに拡大し深化させていく上で、緊急・復興・開発へと繋がる時間軸を明確に視野に入れ、国際社会による現行の支援の不均衡への取組を強化し、多様なアクターの協働における多様性の尊重を一層意識していく必要がある。

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2007 国際ボランティア学会
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