抄録
本稿では、気象レーダー画像に映し出される降水パターンの数時間先の変化を自動的に予測する方法について述べている.本方法では、非剛体的に変化していくパターンを画像処理により、1次元的・2次元的・時空間的な画像特徴量に分解し、時間依存の濃度移流・拡散方程式に基いて各特徴量を統合する枠組みをとっている.本偏微分方程式において、各画素の値を変数として時間積分していくことで、予測画像を推定していく.拡散係数については、予め設定した面積変化と拡散係数のテーブルを参照して与えている.また、北海道札幌市上空で観察されたパターンは、海上と地上とで移流速度と湧き出し・吸い込みに顕著な違いが確認されたため、方程式を解く際、拡散係数と移流ベクトルの値について各画素ごとに重みづけを与えて地形の影響が反映するようにしている.数値シミュレーションの結果、従来からの相互相関法十線形外挿法より、数時間先までの予測精度を大幅に向上でき、本流体モデルの有効性が示唆された。