抄録
本研究は、盲学校教師が初めて盲ろう児を担当する際に直面する困難と、それらの解決プロセスを検討した。盲ろう教育の専門性を有する教師7名に、初めて担当した際に直面した困難と解決の契機を聴取し、困難解決プロセスを作成した。その結果、教師はコミュニケーション・実態把握・指導の3つの困難に直面しており、いずれも最初にコミュニケーションの困難を解決していた。また、コミュニケーションの困難を解決する際に要する時間によって、①長期解決型、②短期解決型が見出された。このうち②は指導時の環境や担当盲ろう児の年齢によって遊戯的コミュニケーションパターン、共同解決パターンに分岐した。その一方で、コミュニケーションの困難が解決されたとしても、実態把握と指導の困難は生起し続けていた。以上より、初めて盲ろう児を担当する盲学校教師は、複数ある困難の中でも優先的にコミュニケーションの困難を解決する必要性が示唆された。