2015 年 69 巻 12 号 p. J320-J327
NHK放送技術研究所では,次世代地上放送において8Kスーパーハイビジョンなど大容量コンテンツのサービスを実現するために,UHF帯を使用する大容量無線伝送技術の研究を進めている.水平偏波と垂直偏波を同時に用いることで伝送容量を単一偏波のみを用いる場合の2倍にすることができる偏波MIMO伝送では,水平偏波と垂直偏波の伝搬路特性の違いによって,ビット誤り率に劣化を生じることが,これまでの実験で確認されている.今回,この劣化を改善するため,周波数インタリーブと水平・垂直の両偏波間で行う偏波間インタリーブを合わせた新たなインタリーブ手法を考案し,その改善効果を計算機シミュレーションによって検証した.さらに,変復調装置に考案した手法を実装し,その効果を室内実験,野外実験によって検証した.