2017 年 71 巻 2 号 p. J101-J105
コンピュータ上のシミュレーションによって作成されたホログラフィを計算機合成ホログラム(CGH)という.CGHを利用して映像を投影するホログラフィックプロジェクタは,レンズを使用せずに映像を拡大縮小することができるため,システムの小型化に適している.現状として,ホログラフィックプロジェクタは平行平面間でのみ映像の投影が可能である.そこでわれわれは本研究において,傾いた面に映像を投影することが可能なホログラフィックプロジェクタを開発することとした.具体的には,非平行平面間における光伝搬計算と,拡大縮小が可能な回折計算をCGHに併用する方法の検討と検証を行った.
またその方法を応用して,一つのCGHから複数の映像を,それぞれ異なるスクリーンに対して同時に映し出す手法の検討および実験を行った.さらにGS法を適用して投影映像の画質改善を行った.それらの結果について報告する.