映像情報メディア学会誌
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特集論文
クラウドARにおける分散レンダリングを用いた伝送量削減
加藤 晴久菅野 勝内藤 整
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2021 年 75 巻 2 号 p. 290-296

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抄録

本稿では,ARのサーバサイドレンダリングにおいて高品位と低遅延を両立するクラウドARシステムを提案する.一般にモバイル端末でのレンダリングは光の反射や陰影,エフェクト等の品質が不十分である.一方,サーバでのレンダリングは高品位であるが,当該レンダリング結果をモバイル端末に伝送するには符号化に伴う劣化及び遅延が課題となる.提案法では,サーバが高品位レンダリングするとともにモバイル端末を模擬して低品位レンダリングした上で,後者を参照して前者の情報量を削減・伝送する.モバイル端末は伝送されてきた情報をモバイル端末でのレンダリングに反映することで高品位レンダリングを再現・重畳する.商用ネットワークで評価した実験では,従来と比較し同等の画質で65%の伝送量削減を確認した.

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© 2021 一般社団法人 映像情報メディア学会
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