近年,CTやMRIなどの撮影装置の技術革新が急速に進むことで,1回あたりの撮影枚数が年々増加する一方,画像診断を行う医師の数は不足している.そのため,限られた数の医師で膨大な医用画像を診断する必要があるが,診断には豊富な知識や経験が必要なため,診断に時間を要する症例が多く,医師の業務負担が増大している.医師がこれまで診断に時間を要していた症例に対して,病名が既知の過去の類似症例を検索できれば,類似症例の病名を診断の参考にすることが可能となり,医師の業務負担低減に繋がる.そこで,臓器内に広がる病変の広がり方に基づいて過去の類似症例を自動検索する技術を開発し,過去の類似症例に紐づく病名などを医師に提示することで,医師の業務負担低減を目指した.本技術の特徴は,画像診断を行う際の医師の見方と画像解析を融合した点にある.本技術は,新型コロナウィルス感染症の画像診断支援技術の開発に応用している.