映像情報メディア学会誌
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論文
ISDB-TとISDB-T3の非同期多重におけるISDB-T信号のキャンセリング手法の検討
佐藤 明彦神原 浩平竹内 知明岡野 正寛
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2026 年 80 巻 2 号 p. 223-231

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抄録

地上波による4K放送サービス等の実現のため,次世代の地上放送方式の研究を進めている.2025年3月には高度地上デジタルテレビジョン放送の三つの伝送路符号化方式が規格化された.その一つである地上放送高度化方式(ISDB-T3)を導入するためには,新しい周波数が必要であるが,地上放送に割当てられる周波数はすでにひっ迫している.これに対し筆者らは,ISDB-T方式の現行放送に対しISDB-T3よる次世代放送を非同期で電力多重する非同期LDMシステムにより,新しい周波数を必要とせずに,ISBD-T3を導入して移行する手法を検討している.二つの異なる方式の信号が非同期で電力多重された信号を受信して低電力なISDB-T3の信号を復調するためには,高電力なISDB-Tの信号を一度復調した後,送信信号レプリカを生成し,伝搬路特性に基づくFIRフィルタを通過させることによりISDB-Tの受信信号レプリカを生成し,受信信号から除去する必要がある.しかし,ISDB-Tの受信信号レプリカを精度良く生成するためには,実際の伝搬路特性を正確に再現するフィルタを用いる必要がある.本稿は,実際の伝搬路特性を正確に反映するフィルタ係数を算出する手法を提案する.計算機シミュレーションにより,地上デジタル放送の運用規定で規定されている複数のISDB-Tの伝送パラメータについて伝送特性を評価し,非同期に多重されたISDB-T3の信号がISDB-Tの受信に与える影響を明らかにするとともに,ISDB-Tを除去して抽出したISDB-T3の伝送特性を評価して提案手法の有効性を示す.

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