2026 年 80 巻 2 号 p. 218-222
本システムは,スポーツ中継におけるCG活用の高費用・高難度という課題に対し,ゴルフ打球軌跡表示システムの低費用化と導入容易性の実現を目的としている.
既存手法が抱える天候依存性や設置制約,高費用といった課題を解決するため,本システムではイベントカメラを導入した.イベントカメラは輝度変化に反応し,高速移動物体を高精度かつ低遅延で撮影可能という特性を持つ.
開発したシステムは,イベントカメラの特性を活かし,導入の容易さ,高い描画精度,低遅延という三つの主要な特徴を持つ.具体的には,RGBカメラとの連携,誤認識防止処理,独自のキャリブレーション手法を確立した.また,3Dプリンター活用により,部品製作の効率化も図った.
運用実績として,日本テレビのゴルフ中継で逆光や雨天時にも安定した軌跡表示が可能であることを確認した.今後は,本システムの導入容易性を活かし,自局だけでなくネット局や他局への展開も視野に入れ,ゴルフ中継の発展に貢献していく.