抄録
カラー受像機の普及を促進するためには, 受像管その他の部品の低廉化とともに, 回路についても可能な限り簡易化することによって価格の引下げをはかる必要があると考えられる.筆者はこの見地に立って, シャドウマスク形カラー受像機について従来使用されてきた高圧安定回路を廃し, 画面の平均輝度変化にともなう高圧変動を許容し, これによって受像画面に現われる各種の変動を簡易な回路によって補償する方法について実験を行なった.その結果は, 家庭用カラー受像機として実用上, ほぼ満足な性能を得ることができたので, ここに報告する.
