抄録
階調表示性能を備えた大画面・高精細TFT-LCDを実現するには, いくつかの間題を解決しなければならない.特に, 走査線数の増加に伴う書き込み期間の減少, 大面積化に伴うゲートパルス遅延の増加の問題は重要である.我々は, これらの問題に対し駆動方法, TFTアレイ構造の面からの改良を行った.検討した駆動方法は, 従来のノンインタレース線順次駆動をベースとし, そのゲートパルス幅を2水平走査期間としたものである.この駆動一法の採用により, TFTのチャネル幅を縮小することができ, 結果としてゲーと線容量を20%低減できた.アレイ構造では, Mo-Taから成るゲート主配線の一部にAlを重畳することでゲート線抵抗の半減を行なった.これらの手法の採用により, 6.7インチ角の大画面, ドットピッチ0.166mmの高精細と良好な表示均一性, 16レベル以上の階調表示性能を両立させたa-SiTFT-LCDを実現した.