アバランシェ増倍膜積層イメージセンサに適した、固体走査部について検討を行った。このイメージセンサでは、高電界における光導電膜中のアバランシェ増倍現象を利用して高い感度を得るため、下地となる固体走査部にも高い耐圧が必要となる。今回、光導電膜と接続するMOSトランジスタのドレイン部分に電界緩和層を設けることで、固体走査部の耐圧を大幅に向上させた。また、電界緩和層によって信号電荷の読み残し等が生じないように、プロセスデバイスシミュレータを用いて素子構造を設計した。試作したテスト素子では約60Vの耐圧が得られ、電界緩和層が有効に機能していることが確かめられた。