抄録
対向ターゲット式スパッタ法により作製されたCo-Cr系合金薄膜の磁気特性の膜厚方向分布についてその評価とTa添加効果、下地層効果について調べた。Ta添加による保磁力の向上が確認でき、特に膜堆積初期層の保磁力を向上させることや、膜中のCr濃度を増加させても膜堆積初期層の保磁力を向上させる事ができることがわかった。一方、常磁性Co_<67>Cr_<33>層やTi層によってその上部に堆積されたCo-Cr膜の結晶性、c軸配向度は向上するが、高温での保磁力の発現は抑制されること、および保磁力発現のためには、ある程度結晶性の低下が必要と考えられること等を見出した。一方Ti下地層を用いて結晶性を改善したCo-Cr-Ta単層膜とMRハイブリッドヘッドとの組み合わせで125kFRPIの半値反転密度D_<50>を得た。