抄録
カラーフィルタや偏光板を用いないホログラフィックPDLC(HPDLC)は、高反射率、高色純度が期待できることから次世代の反射型液晶ディスプレイとして有望である。HPDLCとは、素子内に液晶液滴層と高分子層を交互に積層した構造であり、層間の屈折率差を利用した回折格子である。これまで回折效率に入射偏光依存性がよく、高い反射率が期待できると考えられていた。今回、HPDLCに関する偏光を含めた光学特性の数値計算を行い、その結果、入射偏光がS偏光の場合は、高い反射率(回折効率が1)を期待できるが、P偏光の場合は、多層構造の方位で決まる反射率が得られることがわかった。さらに、実在する高分子の屈折率の波長分散特性を測定し、HPDLC素子の光学特性予測を行なったので情報する。