抄録
自己保持性の液晶膜は、大型・軽量化・耐衝撃性が期待される将来のフレキシブルディスプレイに応用可能である。そこで我々は、配向重合したポリマーネットワーク内に、強誘電性液晶を分散・安定化した液晶ジェル膜を試作した。ここでは膜硬度を確保するため、高濃度の液晶性アクリルモノマーを添加し、光重合相分離法により微細なポリマーネットワークの形成を促した。その結果、μmオーダーのネットワーク構造が観察され、ポリマー含有率が20%以上で、両基板を強固に接着する自己保持膜(3μm厚)が得られた。本素子は、300μs以下の高速応答と100以上の良好なコントラスト比を有するとともに、微細なスイッチングドメインの分布による階調機能を示した。低分子で高速な強誘電性液晶が、液晶分子のコニカルなスイッチング挙動を制限するポリマーと相溶しるのでなく、互いに相分離しているため、高速性と自己保持性の両立が図られたものと考えられる。