撮影照明の変化に伴なう映像の色ずれを補正するため、実時間で連続的に色温度制御が可能な二色性色素入り液晶フィルターを開発した。Planckの放射則とLambert-Beerの法則を用いて色素の吸収分光特性を設計した結果、既存の色ガラスフィルターと同等の色温度変換能力(4450K〜2530K)が得られ、その応答速度は約80msであった。実際にカメラを用いた映像撮影でも、自然に色バランスを補正できることが確認できた。本素子は、照明光源が室内灯から太陽光に変り、カメラの色温度が大きく変化するテレビのロケーション撮影などに有用である。