抄録
ファクシミリのような2値出力装置で多値自然画像を表示・記録する場合, 中間調表示手法が用いられる.なかでもディザ法は, 入力画像と同じ画素数で濃淡を表現できることから, 広く使用されている中間調表示手法である.ところが, 画像を伝送する際に, 送信側と受信側で端末の表示画素数が異なる場合があり, 画像の解像度変換が必要となる.従来の装置では文字や線画などでの画質を重視した解像度変換手法が用いられているため, ディザ化画像に対して2値画像で用いられている従来の解像度変換を施すと中間調の表現力に乏しくなり, 期待した画質が得られない場合が多い.本稿では, ベイヤー型ディザ法によって処理されたディザ化画像の縮小変換法を提案する.提案方式は, 原ディザ化画像と縮小ディザ化画像間の輝度差を補償するように変換パターンを決定するものであり, 簡単な処理で良好な画質の縮小画像を得ることができる.従来法との比較シミュレーションを行い, 良好な結果を得た.