抄録
本稿は、より洗練され再現性を増した高精細な仮想空間を実現するための試みとして試作開発を行った歩行感覚提示装置GSS(Ground Surface Simulator)について、その基本的な考え方と実装化開発を報告するものである。また、このGSSを応用した、新しい体感を共有しあえるコミュニケーション支援環境の提案を行う。本稿に述べるGSSは、既存の開発例には無い、人間の歩行動作に滑らかに連動する全身の相殺機能と足下の比較的小さな領域の地形を模す機能とを組み合わせたものであり、人間に対して自然な仮想歩行感覚を与えることが可能である。本稿では、遠隔地点間で、体感的な歩行感覚を共有しあい、歩行に伴う暗黙的な距離感や時間間隔を伝達することのできるコミュニケーション環境の提案も行う。