産学連携学
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研究ノート
北見工業大学における共同研究の相手先の地理的分布
内島 典子北村 寿宏藤原 貴典川崎 一正竹下 哲史
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2018 年 14 巻 2 号 p. 2_49-2_62

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抄録

北見工業大学における共同研究の実施状況を明らかにするために,2004~2013年度の共同研究の契約情報を整理・分析し,共同研究の相手先の地理的分布とその変化を調査した.その結果,以下のことが明らかとなった.

①共同研究の相手先の割合は,大企業の割合は約27%,中小企業の割合は約35%,企業以外の割合は約37%であり,企業以外の割合が最も高くなっている.

②大企業を相手先とする共同研究は,関東地方,北海道(その他),東海地方,東北地方,近畿地方の順に多く,これらの5地域以外との企業とは共同研究が行われていない.また,関東地方に位置する大企業との共同研究を増加させている傾向がみられる.

③中小企業を相手先とする共同研究は,北海道(オホーツク地域),北海道(その他),関東地方,近畿地方,東海地方が多く,これらの5地域で全体の約98%を占めている.北海道(オホーツク地域)および北海道(その他)に位置する中小企業との共同研究を減少させている傾向がみられる.

④企業以外の機関を相手先とする共同研究は,北見工業大学が位置する北海道(オホーツク地域)内の機関との共同研究が多く,約80%と大きな割合を占めている.

地域イノベーションの創出の促進を考えると,大学と大学所在地県(北海道)との共同研究が減少傾向にあることは見逃せない問題である.今後,他地域の状況も明らかにして比較を行い,地域における共同研究の強化・拡大に向けた課題を検討していく必要がある.

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© 2018 特定非営利活動法人 産学連携学会
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