抄録
将来のデジタル放送システムで用いられる多重化モデルでは、入力として多種多様なコンテンツを扱うとともに、限られた伝送帯域下においても同期を確保しながら柔軟かつ効率よく多重する統合化技術が必要となる。本稿では、可変レートの入力ストリームを扱う一多重化モデルを定義し、多重化ストリームにおける同期管理上の制約条件について論じ、多重化時に発生するデータ遅延を評価するための新たな指標の提案を行う。さらに、その評価指標を用いた同期管理に重点を置く多重化制御手法の提案を行うとともに、シミュレーション実験により提案手法の有効性を示す。