現在, 画像の符号化として離散コサイン変換(DCT)を用いた画像符号化が広く普及している.DCTを用いた画像符号化の代表であるJPEGにおいては, 左右の隣接ブロックの相関を利用して, DCTのDC係数の予測を行っている.またMPEG4においては, DC係数以外に, AC係数に関しても, 隣接ブロック間の性質を利用して, 予測を行っている.しかし, AC係数の予測は, 一般的に相関が低い為に, DC係数に比べて難しく, 予測により逆に, 効率が低下することもある.従来のJPEGやMPEG4においては, 予測は, 隣接ブロックの相関性しか用いていないが, 隣接ブロック以外のブロックを用いて予測を行うことにより, 従来よりも良い予測を行える可能性がある.そこで本研究では, 隣接ブロック以外のブロックも利用した, DCT係数の新しい予測手法を提案し, その結果を検討する.
抄録全体を表示