抄録
本研究では, 到達可能でないwalking distanceにある対象に対するポインティング課題をとおして, 比較的広い空間にある対象の位置に関する記憶特性を検討した.その結果, (1)ターゲットの位置は自己の眼と肩の間の身体部位を中心として記憶され, ポインティングに利用されること, (2)自己の身体が回転し, 身体の向きが変わると, ターゲットの位置は回転した身体に向かって収縮した位置に想起されること, (3)ターゲット以外の対象による視覚的な干渉があると, ターゲット位置が身体中心に向かって収縮した位置に想起されることがわかった.