抄録
赤色有機EL素子の色純度を向上させるために、発光アシスト(EA)ドーパントを用いた。EAドーパント(ルブレン)は自ら発光せず、ホスト(Alq)から赤色発光ドーパント(DCM2)に、エネルギー移動を円滑に行わせる役目を果たす。素子構造[ITO/ホール注入層(CuPc)/ホール輸送層(NPB)/発光層(Alq_3+2%DCM2+5%rubrene)/MgIn]の素子を作製し、赤色発光の評価を行った。その結果、低輝度(100cd/m^2)から高輝度(4000cd/m^2)の範囲で、色純度の高い赤色発光(CIE:x=0.64, y=0.36)を得ることができた。比較として、EAドーパントが無い場合を検討すると、高輝度になるほど、赤からオレンジ色に変化することが分かり、EAドーパントが赤色の色純度向上に有効であることが分かった。