抄録
CRTディスプレイのキャリブレーションではその入出力特性であるEOTF(Electro Optical Transfer Function)をGOGモデルで近似することが一般的である.しかしながらGOGモデルは液晶ディスプレイのEOTFのモデル化に必ずしも有効でないことが知られている.本研究ではLCD, CRTに関わらずにプライマリ色度恒常性とチャネル独立性が近似的に満たされているディスプレイのEOTFのPCA-modelを導出する.PCA-modelを用いた分光放射輝度の推定実験では反射型液晶についてCIE94色差で平均0.4454であった.さらにPCA-modelはCRT, 透過型液晶を含めGOG-modelよりも推定精度が非常に高いことを実験的に確かめた.