2022 年 2 巻 1 号 p. 19-24
【目的】アレルギー性鼻炎は鼻腔抵抗の上昇を来すだけでなく,血清中のヒスタミン,IL-4,CysLTsの高値がREM潜時の延長を引き起こすことから,睡眠障害に関与することが報告されている。睡眠障害を訴えるアレルギー性鼻炎患者に対し,舌下免疫療法による介入が睡眠に与える影響について検討した。
【方法】通年性アレルギー性鼻炎患者23名に対し,舌下免疫療法開始前にピッツバーグ睡眠質問診票(PSQI)を用いて睡眠障害の有無を層別化した。舌下免疫療法6ヵ月後に鼻症状スコアと同時に再びPSQIを評価し,それぞれの群で治療介入前後のスコアの比較を行った。
【結果】舌下免疫療法開始前PSQI6未満の群ではくしゃみ,鼻汁,合計鼻症状スコアにおいて治療前後で有意に改善を認めた。一方で舌下免疫療法開始前PSQI6以上の群ではこれら3項目に加えて鼻閉とPSQIスコアにおいて治療前後で有意に改善を認めた。PSQIのコンポーネントで解析を行うと,睡眠時間や入眠に対する服薬行動などに統計学的差異はない上で「睡眠の質」,「入眠時間」の項目で有意に改善を認めた。
【結論】睡眠障害の自覚のある通年性アレルギー性鼻炎患者に対しダニ舌下免疫療法による介入を行うことによって,睡眠障害を改善できる可能性が示唆された。