抄録
本研究の目的は音楽に対する感性の特性を明らかにすることである.音楽から受ける印象を評価するための感性語を音楽雑誌などから収集し, その中から音楽の聴取実験に用いる感性語対を41種類選定した.小学校の鑑賞曲5曲を32名の被験者に聞かせ, 各曲から受ける印象の程度をSD(Semantic Differential, 意味微分)法で評定させた.その結果, 楽曲から受ける印象の程度は男性と女性で異なることや, 感性語対によっても異なることが判明した.また, 得られた評定結果に対して因子分析を行った結果, 被験者受ける印象の空間は快適性や高揚などの10因子で構成できることが明らかとなった.