抄録
近年, 伝送技術や画像圧縮技術の進歩に伴い, テレビ電話やテレビ会議システムを用いた手話によるリアルタイムの画像通信が可能になりつつある.将来的には, こうした技術を活用した遠隔地手話通訳支援のサービスが可能になることと思われる.しかし, 実際に遠隔地同士での手話による画像通信を行う場合には, 現在指摘されているような画像品質(画質, フレーム速度)以外にも, 重要かつ本質的な問題を考慮する必要があると考えられる.我々は, NTSC信号を用いた画像通信実験を通して, 講義場面での遠隔地手話通訳システムに関する問題点の検討を進めている.本稿では, 講義場面の映像と受講する学生達の映像を提示することの効果について考察する.