抄録
垂直磁気記録媒体の裏打ち層としてのMn-Znフェライト膜を高速に作製するために、MnZnFe粉末成型合金ターゲットを酸素雰囲気中で反応スパッタすることを試みた。放電電流-電圧特性や膜のアニール結果により、膜の酸化状態とターゲット表面の酸化状態に相関があることがわかった。またターゲット表面の酸化状態は放電電圧特性を観測することで推測できることもわかった。(111)配向させたPt地層上に酸素分圧比25%、基板温度550℃、放電電流0.5Aで堆積させた酸化物膜は(111)配向回折線が観測され、飽和磁化3.4kG, 保磁力70OeのMn-Znフェライト膜軟磁性層を形成することに成功した。これにより、従来の16倍高速にフェライト膜の作製が可能となった。