抄録
Fe-Pt垂直二層膜媒体における磁区寸法を小さくし媒体雑音を低減するため、酸化物添加を検討した。MgO添加は、他のAl_2O_3、SiO_2添加に比べ比較的低い製膜温度でFe-Pt相の規則化が実現でき、純粋Fe-Pt系に比べ磁区寸法を低減できることがわかった。(Fe-Pt)-MgO複合材料を用いた二層膜媒体は高記録分解能性を示し、700kFRPIの記録パターンも観察された。TEM観察の結果、(Fe-Pt)-MgO膜では、Fe-Pt相とMgO相との間に膜面内方向での格子整合の可能性が示唆された。一方、(Fe-Pt)-SiO_2膜は、粒径約10nmのFe-Pt相がSiO_2相と思われるチャネルで分離された垂直磁気異方性を有するナノグラニュラー膜であることがわかった。