抄録
筆者らは、ハイビジョン映像フォーマットの縦横それぞれ2倍の精細度を有する高精細映像フォーマット(QHD:Quadruple HD)を提案して、RGB各色を単一素子で撮像するQHDカメラ、同様に単一素子で表示するQHDプロジェクタをそれぞれ開発した。一方、多くの電気通信事業者が高速ネットワークサービスの提供を始め、一般家庭まで 100Mbps程度のネットワークサービスが利用可能になってきた。本論文では、静止画像を用いて実施したQHD映像の主観評価実験の概要と結果を述べる。その結果、QHD映像への高い評価とJPEG2000により圧縮した場合の圧縮率とタイルサイズの影響についての評価結果を得ることができた。また、WHD映像やQHD映像の家庭向けアプリケーションの1つとして、JPEG2000のタイリング機能を用いて、効率的に高精細かつ視聴者のニーズに適応したコンテンツをインターネット上で提供する映像配信モデルを提案し、その概要と留意点について述べる。