抄録
地上デジタル放送では、ギャップフィラー(GF)による同一周波数での再送信技術を用いて、高い建物などの陰となり放送波が届きにくくなる地域の受信特性を改善することができる。しかし、GF局を送信することによるマルチパスの影響により、一部の地域では受信特性の劣化が生じる。今回、劣化が生じる地域を中心に、GF局の送信電力、受信アンテナの方向調整が受信マージン量に与える影響について測定した。今回の測定場所では、GF波が妨害波となることによる受信マージン量の劣化は最大4dBであった。受信アンテナの方向を調整することによって、GF波と親局波のD/Uが大きくなり、20dB以上の受信マージン量を得ることができた。