抄録
近年,様々な音楽の符号化方式が提案されているが,その多くは音の帯域幅とビットレートを自由に選択できるよう設計されている.特に符号化の際に生じる音のひずみ感と帯域感はトレードオフの関係にあるため,あるビットレートが与えられたとき,ひずみ感と帯域感を考慮して最適な品質が得られるように帯域幅を選択して楽音信号を符号化する必要がある.本橋では,人間の心理的な判断に基づく主観品質評価法と,原信号と符号化信号間のひずみより求めた定量的な客観品質評価法の2種類を用いて,楽音の符号化を行う際の最適な帯域幅の選択法を提案する.