抄録
筆者らは先に、位相差板補償・単偏光板式反射型DTN-LCDでは、TFT駆動のオン電圧を2.0Vまで低下させても単偏光板式の極限に近い無彩色表示が得られること、したがって高画質を維持しつつ消費電力を現状の1/6〜1/7に減少できることを示した。本報告では、上記の方式の表示特性に及ぼすねじれ角、複屈折率Δnの波長分散、TFT駆動のオン電圧、設計値からのセルギャップの変動の影響を調べ、最適なねじれ角、液晶と位相差板のΔnの波長分散の組み合わせ、低電圧化の限界、セルギャップの許容誤差を求めた。その結果から、TFT駆動のオン電圧を2.0Vまで低下させても、現在の技術で高画質のカラー反射型LCDが製造できることを明らかにした。また、高画質を維持しつつオン電圧を低下できるメカニズムについて考察した。