抄録
ディスプレイに対する総合画像品質評価方式が提案されている.提案された評価方式では,画質劣化要因が独立であることが前提とされているが,いくつかの劣化要因が独立でない可能性のあることが指摘された.そこで本研究では,ガンマと最低輝度を同時に変化させた場合,画質に対してこれらの影響が独立であるか否か実験的に検討した.ガンマと最低輝度が種々の値で組み合わされた評価用画像を作成し,それを用いて画質の主観評価実験を行なった.その結果,最低輝度を上昇させたときの画質の劣化はガンマを低下させることで緩和できることが明らかになった.画質の劣化に対するガンマと最低輝度の間に定量的な関係が得られてので報告する.