抄録
赤外線(波長1ミクロン〜1ミリ)による天文学で用いられている赤外線センサーの現状とその特徴を紹介する。特に2004年打ち上げ予定の我が国の赤外天文衛星ASTRO-F搭載赤外線カメラのセンサーは、スペースでしか実現できない超低背景放射環境において、超高感度を実現するために必要な低雑音・低暗電流を、地上実験では実証できている。またその画素数は、スペースからの赤外線観測史上最大となる。2010年ごろの実現を目指して進められている将来ミッションSPICAでは、波長25〜50μmと、200μm付近の赤外線アレイセンサーの開発が急務となっている。