抄録
結晶粒の中の磁化が均一に回転するとした一斉回転モデルでのマイクロマグネティクスシミュレーションでは保磁力が大きすぎて実測された垂直磁気記録媒体の磁化曲線が再現されていない。垂直磁気記録媒体のシミュレーションモデルを改良し、実験の磁化曲線を良く再現する方法を検討し以下のことがわかった。初期成長層として、異方性エネルギーの小さい層の存在を仮定するモデルの検討では、保磁力は若干下がるが実験を再現するには不充分であった。一方、粒内の交換相互作用が低下したと仮定する非一斉回転モデルでは、実験の保磁力が再現できた。粒内相互作用Å=0.15×10^<-11>J/mのときHο/Hκも=0.23となり、CoCrPtB膜の実験結果と一致した。このモデルにおいて粒子内の膜厚方向の分割数はÅの値が小さい程、多くする必要がある。