抄録
磁気記録の高密度化によるTPI(トラック密度)の向上に伴い,記録再生を評価する装置(スピンスタンド)において,狭トラックで記録された信号のより正確な再生が必要となり,記録トラックをフォロイングする技術が重要となってきている。現行のスピンスタンドの機構にトラックフォローの機能を付加するため,圧電素子(PZT)と変位拡大機構を組み合わせた微動アクチュエータが適しているものと考え,実際に試作し,評価を行った。また,機構の設計をする際に,アクチュエータ機構の有限要素解析を行い,周波数特性を求め,測定結果と比較した。次に,光ファイバ式変位計を位置フイードバックに用いた制御系を構成し,ロバスト制御理論の一手法であるH∞制御法によりコントローラを設計し,その効果について検証した。