抄録
近年,ハードディスクドライブ(HDD)の高記録密度化に伴い,ヘッドの高速・高精度位置決めが要求されている.この要求に応えるヘッド位置決め用アクチュエータとして二段アクチュエータが提案されており,1)サスペンションの根本にアクチュエータを設けて全体を駆動する方式,2)スライダを直接駆動する方式 ,3)ヘッド素子を直接駆動する方式,がある.しかしながら,共振周波数,駆動印加電圧,製造の実現性等の観点から,一長一短があった.筆者らは上記課題を解決するため,上記2)の方式による二段アクチュエータにおいて薄膜PZTを用いた新構成を提案し,その性能評価を行った.その結果ヘッド素子変位量士5Vで1.1μm_p-p ,主共振周波数が15kHz以上4)の基本性能とマイグレーションテスト1000時間後の動作確認を行った.