抄録
絵画は長い歴史をもち独特の美的表現が追求されてきた。演者らは、絵画を解析することによってその表現技術を学び、それをハードコピー技術に活かし、印象的な画像を得ることを目的として研究してきた。本研究は、色彩科学に基づく併置混色による点描画を確立した後期印象派の画家スーラの色表貌を、ディジタルイメージング技術に応用することで、高彩度のハードコピーを作成することを目的としている。今回の実験はその基礎的部分に当たり、スーラの絵画の色パターンの解析を行った。絵画全体に使われている色の色情報、スーラが表現する赤、青、黄などに使われている固有色と補色のパターン、割合を調べた。また、適用させる色点の最適な大きさを調べた。