抄録
アダプティブディミング方式を用い表示画像に応じてバックライトの輝度を下げ,液晶パネルの透過率を変える際に表示画像を補間すると,階調数を増加することができる.本研究では,通常の8bit表示LCDにおいて,人間の視覚特性に対して十分なだらかな階調表示を実現すべく,アダプティブディミング方式を用いた階調表示特性の設計を行った.その結果,一般的なリビング環境光下では,調光ステップ数を9として階調表示特性を最大11bitにすればよいことがわかった.本方式を適用したLCDにおいて階調表示特性を測定したところ,明るさの弁別閾を上回る階調数を従来の2割程度に,また弁別閾との差も2割に低減することができた.