論文ID: 11024
【背景および目的】脳血管造影検査で残存した低浸透圧性非イオンヨード系造影剤を,直後の嚥下造影検査で使用し,その有効性および安全性を検討した.【対象と方法】対象は,脳血管造影検査と嚥下造影を同日に行った5人の虚血性脳血管障害患者とした.脳血管造影検査後に残存した低浸透圧性非イオンヨード系造影剤を用いて,直後に引き続き嚥下造影検査を行い評価した.【結果】5症例とも評価は問題なく終えることができた.1例では嚥下造影検査後の胸部CTで誤嚥を認めたが,発熱などの臨床症状は認めず,その他の患者では,早期および遅発性の合併症は起きることなく経過した.【結論】脳血管造影後に残存する造影剤を用いて,連続して嚥下造影検査を行うことで,残存した造影剤の破棄を減らし,コストを抑え,安全かつ適切な評価ができる可能性が示唆された.