パルス変調方式を用いたTime-of-Flight(TOF)距離画像センサにおいて測定距離と距離分解能はトレードオフの関係にある.そこで本稿では測定範囲を狭めずに距離分解能を向上するレンジシフト動作を提案する.レンジシフト動作は背景光除去構造と位相がシフトした短時間光パルスを用い,得られた画像を合成することで測定範囲を狭めずに距離測定を行う方法であり,短時間光パルスを用いているため距離分解能を向上することができる.さらにレンジシフト動作ではデューティ比をあげることができるため,背景光の影響を低減することができ背景光下において距離分解能をより向上させることができる.試作したセンサと線形応答範囲のみを用いるためにオーバーラップさせた7つのシフトした10ns幅の光パルスを用いてレンジシフト動作の実証を行った.その結果50cmから4mの範囲までを測定をでき,距離分解能として2cmの結果が得られた.