映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: HI2009-85/3DIT2009-3
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両眼立体視におけるゲシュタルト要因について(視聴覚技術,ヒューマンインターフェース)
北野 智也菊池 眞之
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抄録

世の中にはさまざまなデザイン(図)があり,それらの知覚のしやすさは,ウェルトハイマーが提唱したゲシュタルト心理学(Wertheimer,1923)で定義されるゲシュタルト要因によって決定される.近接の要因と閉合の要因が複合した際については閉合の要因が強く働きやすいことがすでに研究されているが,近接・閉合の要因に類同の要因などを含む他の要因を複合させてその強弱を調べた先行研究は少なく,両眼立体視(左右眼網膜像のずれに基づく奥行知覚)のもとでゲシュタルト要因が複合する場合の知覚について調べた先行研究はない.本研究では,以下の2点について実験を行った.第1の実験では,前額平行面の水平・垂直方向や,奥行方向に関して知覚的な距離に差異があるか否かについて調べた.第2に残りを生じさせない要因を含ませない刺激を使用し,幾つかの要因の3次元的な側面について調べるべく,両眼視差による3次元刺激を用いて実験を行った.その結果,第1の実験よりX軸方向,Y軸方向,Z軸方向の知覚的距離はほぼ同一であることが導かれた,第2の実験より,閉合の要因に3次元的な凹凸を持たせるとグルーピング力が強くなることが示唆された.

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© 2009 一般社団法人 映像情報メディア学会
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