抄録
奥行き運動を知覚に関わる手掛かりのうち両眼性のものは2種類ある.ひとつは,両眼視差の時間変化(disparity change in time,DCT),もうひとつは両眼網膜像の速度差(inter-ocular velocity differences,IOVD)である.手掛かりの存在は事実であるが.重要な点はそれを視覚系が利用して奥行き運動を見ているか,また,両者の間になんらかの役割の違いがあるかである.本稿では,それぞれを処理する視覚系のメカニズムは,その時間特性に違いがあることを示す.