抄録
人間の高次色覚系においてマルチ色チャンネルの存在が示唆されているが、その特性についてはあまり明らかになっていない.そこで,本研究ではダイコプティック色マスキングを用いて,高次マルチ色チャンネルの方向およびバンド幅を明らかにすることを目的とした.ターゲット刺激として片眼に赤緑方向のガボール刺激を呈示し、もう一方の眼にマスク刺激として様々な色方向の空間周波数局在ランダムドットを呈示した.一人の被験者の結果から反対色チャンネルの存在とそれ以外の色チャンネルの存在が示唆された.しかし,もう一人の被験者の結果は色チャンネルの存在が示唆されるものではなかった.
